top of page

公演特設ページ

Main.jpg

公演チラシ(クリックで拡大)

チラシ表面
チラシ裏面

■企画概要

BlueLine.png

日本の古典戯曲である小山内薫による『息子』と、その原案であるハロルド・チャピンの『Augustus in search of a father』のそれぞれを、前者を鎌ヶ谷アルトギルド/一徳会の石井幸一氏が演出を担当し、青井陽治氏による新訳である後者を同氏によるドラマターグを踏まえ、KPR/開幕ペナントレースの村井雄が演出を担当し、同時上演致します。

大正時代にイギリスと日本で書かれた同じ舞台設定である上記の二作品を、異なる演出論を持つ二人の演出家がそれぞれの世界観によって同時上演することで、時代や場所を越えた親と子の繋がりの普遍性を強く描き出します。

師走の江戸(12月のロンドン)、夜更けの火の番小屋で老人が火にあたっていた。

そこへ一人の男がやってくる。

追われている様子の男に老人が話を聞くと、大阪(アメリカ)でいかさま博打(カジノでいかさま)をして稼いでいたというので、老人は自分の息子も上方(アメリカ)で働いていると語る。

男が老人にその息子の名前を尋ねると金次郎(オーガスタス)だと答えた。その名前を聞き、男はこの火の番こそ九年ぶりに会う自分の実の父親だと悟るが、息子はかたぎだと信じている父親に名乗ることが出来ない。

そこへ補吏(夜警)がお尋ね者の男を捕らえようとやってくる。

捕らえられた金次郎(オーガスタス)だが、補吏(夜警)が父親にこれはお前の息子だと見せようとした途端、縄を切って逃げ出す。

やがてひそかに戻ってきた金次郎(オーガスタス)は柱の陰から父親に手をあわせ(祈りを捧げ)去っていく。

老人は金次郎(オーガスタス)の無事を願って、その後を見送るのだった。

BlueLine.png

■あらすじ

『息子』

BlueLine.png

作:小山内薫

演出:石井幸一(鎌ヶ谷アルトギルド/一徳会)

出演:高崎拓郎 G.K.Masayuki 田中惇之

【演出ノート】

『息子』は帰って来なかった。いや、来たのかも知れないが"彼の望む息子"は帰って来なかった……だから彼は待ち続けている、もはや妻も亡く、たった独りで、150年前から残る蔵の中で……今も彼は待ち続けている。

 

H・チャピン『オーガスタス父を探し求める』を翻案した小山内薫は、なぜ題名を『息子』としたのだろうか。少し似た構造の戯曲に長谷川伸の『瞼の母』があるが、『瞼の父』では駄目だったのだろうか。何故に父親目線?

 

頑固親父を良しとする感性は、確かにある気がします。そして親父と放蕩息子の別れの瞬間は、たしかに美しい。日本人の心に訴えかけてくる気もします。でも同時にノスタルジーに過ぎないのではないか、という気もするのです。

美しき心根か、ただのノスタルジーか、そこらへんのところ頑固親父にフォーカスして探ってみます。

 

身も蓋もない言い方をするならば、せっかく帰ってきた息子、たとえ期待していた姿でなかったとしても、なんとか丸く収めることは出来なかったのかなぁと私は思ってしまうのだけれど。

 

【演出家プロフィール】

石井幸一

演出家。1979 年生まれ。千葉県鎌ケ谷市在住。東京農業大学卒。 鎌ヶ谷アルトギルドと一徳会の主宰者。(公財)舞台芸術財団演劇人会議(JPAF)会員。

第 20 回 BeSeTo 演劇祭実行委員。他、(株)ネルケ プランニング製作「昭和文学シリーズ」脚本など。

2007 年、JPAF が主催する利賀演出家コンクールにおいて優秀演出家賞を受賞。

2013 年には第 2 回アジア演出家フェスティバルに日本代表演出家として参加。2017 年には、舞台「ACCA13区監察 課」の脚本・演出を担当。

『オーガスタス 父を探し求める』

BlueLine.png

作:ハロルド・チャピン

翻訳:青井陽治

演出:村井雄

出演:高崎拓郎 G.K.Masayuki 田中惇之 陰山泰

【演出ノート】

江戸時代から現存する「蔵」にもう戻る事の無い親子の愛が仕舞われていたのだ。立会いを許された私たちは愛に時間は存在しないことに気付き始めている。
 
息子であるオーガスタスとその父である夜警の二人は最初からお互いに気付いていたのだとしたら。二人を分け隔てた九年という時間の流れが一瞬にして消え去っていたのだとしたら。

あの日「『ゴドーを待ちながら』と『動物園物語』この二作品の影響無き現代演劇は無い」と教えてくださった青井陽治さんを思い出している。

記憶の景色は常に自己による脚色と演出を施されているようだ。つまりノスタルジーとは現在の自己との対話なのかもしれない。

これは現在のオーガスタスによる回想録である。
私たちは常に現在を生きているのだ。

【演出家プロフィール】

村井雄

目黒区職員を経て、2006年に開幕ペナントレース(現KPR/開幕ペナントレース)を旗揚げ。以降、全作品の構成・脚本・演出を担当。

初の海外公演(2009年アメリカ公演)にて The New York Times 他、各種メディアより高い評価を得る。2015年よりスタートした海外ツアーでは、その「恐るべき俳優達による現代演劇作品(Tuniscope / チュニジア)」は「本物のアーティスティックな体験(La Provence / フランス)」であると、その脚本・演出作品が賞賛される。

2016年のCINRA.NETでの小林賢太郎氏との対談「小林賢太郎が惚れ込む「自由」すぎる天才演出家・村井雄の正体」が話題となる。

2014年 世田谷区芸術アワード “飛翔” 舞台芸術部門受賞

2012年・2016年日本演出家協会主催若手演出家コンクール優秀賞&観客賞 受賞

takasaki.jpg

高崎拓郎

gouke.jpg

G.K.Masayuki

tanaka.jpg

田中惇之

kageyama.jpg

陰山泰

村井雄さんと青井は、実際、親と子ほど歳が離れている。二人が、『息子』とその原作である『オーガスタス 父を探し求める』を同時上演しようというアイディアを最初に話した日、青井は嬉しそうに帰って来た。

『オーガスタス 父を探し求める』は、青井の最後の翻訳作品となってしまい、自ら演出することは叶わなかった。しかし、演出家として「息子」のような存在の、村井雄さんに演出を引継いで頂けることを、「父親」のような気持ちで、青井が見守っているはずだ。

青井陽治マネージャー カンパニー・ワン 土屋誠

■公演日程

BlueLine.png
nittei.png

※各日時共に、二作品続けて上演致します。

※上演時間75分間(二作品合計・休憩無し)

※受付開始、開場は開演の30分前となります。

■会場

BlueLine.png
map.png
name.png

東京都台東区雷門2-19-18

TEL : 03-3841-0442

Web Page : http://www.gallery-ef.com/

ギャラリー・エフは、浅草の地に江戸時代に建てられ、関東大震災と東京大空襲を生き延びた土蔵を、アーティストたちが再生したアートスペースです。97年にカフェとバーを併設してオープン。国内外のアーティストたちの表現の場として活用されています。

※駐車場はありません。公共駐車場をご利用ください。

公演情報
BlueLine.png

■スタッフ

【照明】沖野隆一

【美術】竹邊奈津子

【宣伝美術】秋澤一彰

【プロデューサー】高崎拓郎

【協力】

株式会社カンパニー・ワン

鎌ヶ谷アルトギルド/一徳会

石井光三オフィス

RYU CONNECTION

佐々木裕子

ギャラリーエフ・Izumi

吉祥寺GORILLA

秋澤デザイン室

【企画・制作】

KPR/開幕ペナントレース

BlueLine.png

■Information

Japan Society Performing Arts 2019 招聘作品 

―伝説の公演から2年。あのリングがニューヨークで蘇る!―

majyo.png

【作・演出】村井雄

【出演者】高崎拓郎 G.K.Masayuki 竹尾一真

 

会場:Japan Society 333 East 47th Street New York, NY 10017

助成=アーツカウンシル東京

sankaku.png
チケット
​本公演並びにKPR/開幕ペナントレースについてのお問い合わせはこちらから
bottom of page